「移住者」① 徳島にIターンした元会計士 専門能力を企業でいかす
「NIKKEI STYLE」で徳島に移住された方のインタビューが掲載されています。
下記URLより、ご覧いただけます。
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO29775320U8A420C1000000
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徳島県で移住(希望)者に対する生活支援の中心になるのは「とくしま移住コーディネーター」だ。
「移住者と地域住民の交流を後押しするとともに、移住者からの相談や要望に応えるのが主な役割です」
県庁の地方創生推進課で「移住交流」を担当する久次米(くじめ)しのぶ・課長補佐が説明してくれた。
徳島県庁で「移住交流」を担当する地方創生推進課の長谷川尚洋課長(右)と久次米しのぶ課長補佐(左)
具体的には、行事や習慣など地域の情報を移住者に伝えたり、行政とのつなぎ役になったり、移住者の悩みやトラブルの解決にあたったりするという。
2017年度から県独自の取り組みとして、全国でも珍しい認定制度を設けた。県の研修や講座を受けたうえで、市町村の推薦を得るのが条件だ。
コーディネーターは現在、県内13市町村にいる。各自治体のほか、地域おこし団体や観光協会といった「移住支援団体」に所属しているケースがあり、移住希望者の視察の段階からかかわって、仕事や住居の紹介、移住後のフォローと、希望に応じて幅広く、きめ細かく対応する。
コーディネーターがいる自治体は、移住者が増える傾向にあるそうだ。県は今年度から、認定の対象を民間企業の人事担当者らにも広げる。
県は毎年、「移住者交流会」も開いている。移住者ならではの悩みを相談しあうなど、ヨコのつながりを築いてもらうのが目的だ。受け入れた側の行政や地域住民も出席し、移住者に要望を出してもらう場にもなっている。
17年度はソバ打ち体験やイチゴ狩りとセットにして、県内の3圏域ごとに開催。家族連れを中心に計約90人の移住者が参加した。
各市町村も、生活に関連する移住促進策を打ち出している。
美馬市や神山町などは、移住者を対象にした空き家リフォームへの補助制度を設けている。移住希望者に「お試し住宅」を提供したり、その利用経費の一部を助成したりする自治体もある。移住者に限らないが、板野町は保育所と幼稚園の保育料が全員無料。子どもの医療費が18歳まで無料の自治体も増えている(市町村別支援制度一覧)。
さまざまな取り組みが奏功して、17年度の徳島県外から県内への移住者は計1200人(836世帯)と、前年より42.5%増えた。2年前に比べると、ほぼ2倍だ。
市町村別で最も移住者が多かったのは、阿南市の235人(前年118人)。次いで北島町の140人(同52人)、三好市の138人(同119人)の順だった。移住前の居住地をみると、大阪府(201人)が最も多く、東京都(122人)、兵庫県と香川県(各105人)が続いた。
移住希望者が県内でスムーズに生活を始めるきっかけにしようと、県は非常勤の「地方創生推進員」として県庁などで勤務してもらう制度を置いている。全国でも珍しい仕組みで、現在23人が在籍する。
1日5時間45分以内、月20日以内の勤務で、日給7000円程度。最長5年の間に、定住を前提にした仕事を見つけてもらう。県は地方創生推進員を対象にした県内企業へのインターンシップ制度をつくり、仕事探しを支援している。
移住希望者の掘り起こしにも力を入れる。
県は17年度、「移住体験ツアー」を4回実施した。それぞれ伝統産業、農業、起業、住民活動をテーマに据え、各回3自治体の視察と宿泊、地域住民や先輩移住者との交流を採り入れた。計61人の参加者の中から、Iターンを中心に4世帯10人が移住した。
「参加費は各回5000~8000円ですが、徳島までの交通費は自己負担なので、本気度の高い参加者が多いですね。地域の人と話すと生活の様子がわかって、気持ちが固まっていくようです。今年度は大阪からのバスツアーを計画しています」(久次米さん)
若者のUターン促進も重点事項だ。8月10~11日には東京から徳島へ向かうフェリーの船上で、県出身学生を対象にした「とくしま回帰洋上セミナー」を開く。
徳島に縁のある映画監督やまちづくりリーダーらの話を聞きながら、郷里の未来について考える企画だ。参加費は、乗船や交流会を含めて5000円。気軽に帰省できる機会を用意して、Uターンへの意識を高めてもらう。
徳島県は来年度、1600人の移住を目標にしている。まだ県外への転出者の方が多いが、20年度には転入者と転出者の数を均衡させたい、としている。
移住希望者の大きな関心事は「仕事」だろう。起業や農林漁業が目的ならばともかく、企業などへの就労を考えている場合は、移住先にどんな仕事があるのか、給与などの待遇がどうなのかは、重要な要素に違いない。徳島県がUIJターンの就労希望者向けに開設している「とくしまジョブステーション」を訪ね、仕事探しのプロセスやポイントを聞いた。
「徳島県内の今年4月の有効求人倍率(季節調整値)は1.46倍で、過去最高でした。人手不足を訴える県内の企業は増えています」
JR徳島駅に直結するビルの5階にあるジョブステーションは、無料の職業紹介事業者という位置づけだ。職業相談主任の白濱徹さんと職業相談員の山下武志さんが、最近の県内の雇用情勢を説明してくれた。
「とくしまジョブステーション」は徳島駅ビルの5階にある。
職業相談主任の白濱徹さん(右)と職業相談員の山下武志さん(左)
百貨店などが立地するJR徳島駅前。後ろは徳島市のシンボル「眉山」