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トップ移住者インタビュー一人でも多くの人に阿波市の魅力を伝えたい。

移住者インタビュー

一人でも多くの人に阿波市の魅力を伝えたい。

阿波市の風景

保坂菊代さん

 阿波市観光協会

取材年月:2016年3月

食糧自給率136パーセントを誇る徳島県の中でも「農業立市」として知られる阿波市。こうした地域の特性を生かして移住交流促進事業に取り組んでいるのが阿波市観光協会です。自身も東京からの移住者である保坂菊代さんにお話をお聞きしました。

観光協会が「移住」を支援していく理由。

最初に阿波市とはどんな地域なのか、あらためて保坂さんから説明をお願いします。

土柱

保坂さん:徳島県の北東部に位置する阿波市は、温暖な気候と吉野川がもたらす豊かな土壌に恵まれており、トマトやレタス、イチゴといった生産量県下一の野菜や果物が自慢の地域です。生産者の方々が大切に慈しんで育てた野菜は“阿波ベジ”の名で親しまれ、野菜ソムリエが活躍する食育の盛んな場所でもあります。また、土御門上皇の所縁の地である「御所」や北の阿讃山脈の土砂が堆積して生まれた「阿波の土柱」、名物料理として愛されている「御所のたらいうどん」は、阿波市が誇る個性的な観光資源として知られています。徳島市内まで車で約30分、徳島阿波おどり空港までは約45分、高速バスも充実していることもあり、首都圏や関西圏からのアクセスも抜群。阿波市の交通の便の良さは意外と驚かれるんですよ(笑)。

阿波市観光協会が移住者の支援に関して取り組んでいるのはどうしてでしょう。

保坂菊代さん

保坂さん:不思議に思われるかもしれませんね。阿波市観光協会の主な仕事は「阿波市の魅力を発掘し、輝かせ、情報発信を行い、来訪者を増やすこと」です。その意味では「観光」と「移住」は非常に近い立ち位置にありますし、観光などで阿波市へ訪れた方が移り住んでくれることが一つの理想であるともいえます。もともと阿波市が現在のように移住者を受け入れるようになったのは、東日本大震災と福島第一原子力発電所の事故がきっかけでした。2012年にとくしま定住支援ネットワークや特定非営利活動法人(NPO)阿波市めだかの学校などが行った母子保養プロジェクトをベースに、2013年度から本格的な移住交流促進事業に取り組むようになって。私自身、そのときの体験で東京から阿波市へ移住を決めた移住者なんですよ。阿波市観光協会のスタッフ5名のうち4名が移住者で、内と外の人とをつないでいく役割を担っています。

なるほど。やはり阿波市に移住を希望される方は家族連れが多いのですか。

阿波市の風景

保坂さん:そうですね。単身者の方もいらっしゃいますが、基本的には30代から40代くらいのご家族からの相談が多いように感じられます。地域としては東京や大阪が大半で、岡山などの地域からも問い合わせも。単身者の方ですと「農業をやりたい」と新規就農を目指している方、たとえば、有機農業のようなチャレンジを考えている方も多く、そういう方は若手農家の集まりである「農業後継者クラブ」で情報交換をするケースなども出てきているようです。暮らしやすさを求めて移住を希望されるご家族でも「畑を借りて野菜づくりに挑戦したい」という相談は結構あるんですよ。それは農業が盛んな阿波市ならではの特徴かもしれません。

「何もない」から「そんなことはない」へ。

移住者の受け入れに関して行っている具体的な支援内容について教えてください。

小麦畑

保坂さん:まず阿波市の担当課へ入ってきた移住を考えている方の相談をこちらで引き継ぎ、さまざまな質問に答えていきます。私たちだけで回答できないものは、特定非営利活動法人(NPO)など、地域で機能しているネットワークと連携して対処する体制ですね。また、本格的な移住に先駆けて、実際に阿波市で短期滞在をしてみたいという方々には「移住おためし物件 土成の家」を紹介し、ここを拠点に阿波市内のあちらこちらをご案内するようにしています。

今日は「移住おためし物件 土成の家」での取材ですが、ここは素敵な施設ですね。

移住おためし物件 土成の家

保坂さん:有り難うございます。ここ「移住おためし物件 土成の家」は、阿波市出身の故三木武夫元総理大臣の生家敷地内にある別邸で、娘さんである元参議院議員の高橋紀世子さんが建てたもの。1階の和室3部屋を個別に貸し出しているんですが、キッチンとバスルームは共同で使っていただくシェアハウスに近い形の施設となっています。昨年6月のオープン以来、35名が利用されましたが、近隣の方を招いて移住希望者の方と一緒に夜ごはん会を行うなど、新たな阿波市の交流拠点として、どんどん機能させていきたいと計画しているところです。

移住者の受け入れによって、地域はどのように変わってきたとお考えでしょう。

土成中体験

保坂さん:外から来た移住者と地元の人との交流が深まっていくに従って、阿波市全体が元気になってきたという印象がありますね。たとえば、昨年の夏、阿波市観光協会では中学校の生徒たちに職業体験として移住コーディネーターの仕事にチャレンジしてもらいました。実際にいくつかの条件を挙げ、そこから移住に適した地域を探してもらうなか、生徒たちも「阿波市っていいところなんだ」と自分たちが住んでいる地域の良さを再発見してくれたんです。これはとても嬉しかったですね。もともと住んでいる地元の方々は阿波市に「何にもない…」と思っている傾向が強いんですが、外から来た移住者がさまざまな魅力を見つけて「そんなことはない!」と言い続けていくことで、さらに地域が元気な方向へ動いていくと思います。

普通の方々の移住先として選ばれるために。

これから阿波市観光協会が解決していきたいと考える課題について教えてください。

小野農園野菜

保坂さん:はじめにもお話しましたが、阿波市観光協会の移住交流促進事業がスタートするきっかけは、東日本大震災と福島第一原子力発電所の事故でした。それは都会で暮らすことのさまざまなリスクを実感した結果、自分たちの生活を見つめ直し、どこで暮らしていくかを選ぶ機会につながったと思うんですね。農業の盛んな阿波市が選ばれる理由の一つには、何といっても農業が盛んで、安心・安全な食材が豊富なことが挙げられます。特に子供たちの「食」に関していえば、2013年には『阿波市学校給食地産地消推進計画』を策定。すでにお米は100パーセントを達成していますが、野菜に関しても2024年までに地産地消率を65パーセントへ高める目標を掲げています。お子さんがいるご家族にとっては何よりも嬉しい点ではないでしょうか。それから、空き家を紹介してくれたり、何かと私たちの活動をサポートしてくれる方々が地域に数多くいらっしゃいます。こうした協力者の方々を組織化し、有機的につながるようになれば、もっと活発な取り組みが進んでいくはずだと考えています。

最後に徳島県への移住を考えている人へのメッセージをお願いします。

移住おためし物件 土成の家

保坂さん:まずは一度足を運んでみてください。たとえば、阿波市であれば「移住おためし物件 土成の家」を拠点にして、都市部とは異なる環境を体験することがすべてのスタートになります。個人的には「二地域居住」から始めてみてもいいのではと思うんですね。普段は東京や大阪などの大都市圏で働き、週末や長い休みのときに阿波市の家で過ごすというスタイル。少しずつ地域に慣れていって、本格的な移住の準備をゆっくり進めていくという方法もあるでしょう。私たち阿波市観光協会も地元の方々への移住や空き家に対する意識調査を行うなど、より移住者の方々を気持ちよく迎えるための努力を行っていきます。外への働きかけも大切ですが、内への働きかけも同じくらい大切だと思うんです。移住者として求めているのは本当に普通の方々。特別な資格や高度な技術は必要ありません。いつでも阿波市に来てくださいね。

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